最近、理論・実験双方で大幅な進展を遂げている中性子過剰核の分野では、 例えばハロー構造の発見など、これまでの原子核物理の常識を覆すような 現象が注目を集めてきた。さらに、これまで安定な原子核においては良く 成り立っていた魔法数が、実は軽い過剰核では変化するのではないかという 証拠がみつかっている。本報告では、これらの現象を説明する候補のひとつ として、原子核のクラスター構造に注目する。過剰な中性子の影響によって 本来球形のコア核がどのように分子的構造へと変化するのか、いくつかの メカニズムを提案する。