2001年度 東大駒場原子核理論セミナー

於 駒場16号館8階829号室


偏極パートン分布における核子スピン構造の研究

 EMC(European Muon Collaboration)による偏極構造関数g_1の測定により、  核子のスピンが核子内部の価クォークのみにより荷われるという単純な  クォーク模型での予想は大きく崩れ、今では、価クォークだけではなく  海クォークやグルーオン、更にはそれらの軌道角運動量等が必要だと考え  られている。核子内部のスピン構造の詳細の解明を調べる上で偏極  パートン分布はそれらの研究の基礎となる部分であり、価クォークのみな  らず反クォークやグルーオンについても詳しく調べる必要がある。しかし、  非摂動論的部分であるパートン分布は実験値を使って決めるしかない。  そこで、スピン縦偏極の深非弾性散乱実験のデータを使ったchi^2解析に  よる偏極パートン分布の最適化の研究について議論する。

最終更新日:2001年11月20日
連絡先:大西一聡 < konishi@nt1.c.u-tokyo.ac.jp >
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