2001年度 東大駒場原子核理論セミナー

於 駒場3号館1階101号室


超新星爆発とrプロセス:不安定核物理のチャレンジ

超新星爆発は重い星の進化の華々しい最後であるとともに 鉄よりも重い元素、特にrプロセス元素を作る場だと 考えられている。しかし、その爆発メカニズムや rプロセス元素合成の様子は未だに明らかにはなっていない 部分があまりにも多い。 我々は、最近、実験可能になった不安定核のデータを元に 最新の相対論的核子多体理論を駆使して、超新星爆発の 解明の一つの鍵を握る、極限状態での核データを系統的に 予測することを行ってきている。特に数値シミュレーションで 必要不可欠な状態方程式のデータテーブルを構築した。 さらに、このデータテーブルを用いて、鉄のコアの重力崩壊と バウンス、原始中性子星からのニュートリノ駆動風、 rプロセス元素合成の数値シミュレーションを行っている。 これらのシミュレーション結果により、超新星爆発でのrプロセスの 様子が定量的に明らかになってきた。 こうした最新の核物理から超新星物理へのチャレンジの様子と その結果をお話したい。

最終更新日:2001年4月17日
連絡先:大西一聡 < konishi@nt1.c.u-tokyo.ac.jp >
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